事件簿7⃣…誕生会連続襲撃事件

28/42
前へ
/154ページ
次へ
「へ?3ヶ月?」 「確かめますか?」 二階堂は私に携帯電話を差し出した。 電話はまだ神永とつながっている。 「……神永か?私だ。」 恐る恐る電話を耳に近づけ、彼に話しかける。 突然変わった声に、少し戸惑ったようだが、冷静を取り戻し、彼は話を続けた。 「あ、赤川さん? 二階堂から聞いたと思うけど…」 「ああ、でもそれってどういうことだ?」 「あーそっか。 ずっとさ、調べてたんだけど…千早さんのお母さん、紅葉さんが殺された事件って8年前のことらしいよ。メイドの笹木さんが入ってきたのは今から3ヶ月前で、執事の渡瀬さんは子供の頃から校倉家に仕えてたみたい。 二階堂に調べとけって言われたからやっといたけど、…これで山田の無罪ははらせたかな?」 笹木さんが3ヶ月前で…… 渡瀬さんが子供の頃から……? じゃあ笹木さんは紅葉さんの部屋にも入ったことはないはず… でも…渡瀬さんは……? 「二階堂……君……」 電話越しの神永の声が遠ざかっていった。 私の手からスルリと落ちて、そいつはカツンと落ちてしまった。 「…………部屋に戻りましょう。」 二階堂は目を瞑りながら、悲しげに口を開いた。 .
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加