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…………
部屋には容疑者の4人と西村鶯、神永、それに、見張りの警察らがいた。
「先生…犯人わかったんですか!!?」
山田の問いに、二階堂は静かに頷いた。
「……では、お話させていただきますね。あくまで推測なんですが…」
扉の前から、彼等の座るソファーの前に移動する。
「まず、初めに黒羽さんの殺人事件、証拠は残っていなくて、事件の時間のアリバイから、千早さん、皆坂さん、渡瀬さん、笹木さん、そして山田…の5人が容疑者としてあげられた…。」
うん、その通り。
「そしてその後、校倉千早さんが襲撃させられる事件が起こる。
見張りのミスにより、…容疑者の4人のアリバイもなくなってしまった…
さらに、山田が第一発見者の笹木さんより早く、黒羽さんの遺体を見つけていた…」
「それで…他に犯人がいるかもって疑いが出たんだよな。」
神永が言うと、二階堂はまた怪しげな笑みを見せた。
「…先ほど、俺と赤川さんはある小部屋を見つけました。
幼い頃の、校倉千早さんの部屋です。」
部屋中の人が驚いた顔を見せた。
それもそうだ。
「…今の千早さんの部屋は、元々は千早さんの母親…校倉紅葉さんの部屋だったんです。しかし彼女は…」
「死んでしまった…」
俺が呟くと、小さな声で「はい」と返事をされた。
「千早さんは紅葉さんの死後、彼女の面影を感じたいと、部屋を移動してきたんです。そこでです。」
二階堂は人差し指を立て、誰にでもなく突き刺した。
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