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西村は名前を呼ばれると冷静に二階堂の方を向いた。
しかし、
その顔は、先程までの落ち着いていて大人びている表情ではなく、戸惑って冷や汗を流していた。
「……貴方は例の手紙で千早さんが黒羽さんを殺した犯人だと確信したんです。
その後、千早さんの部屋に入り、推理を述べた…」
二階堂の話は続き、
「でも、千早さんはそれを否定した。
……討論になった貴方は、タンスからわざわざ灰皿を取り出し、
……千早さんの後頭部を目掛けて………」
「……殺そうと…したのか……?」
私は西村に尋ねたが、西村は眉をひそめて黙秘を貫いている。
それを見た二階堂は、一度溜め息をついたあと、更に話を続けた。
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