事件簿7⃣…誕生会連続襲撃事件

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「……さすがだね……二階堂君…」 西村が静かにやっと 顔を上げて言った。 先程までは、あんなに態度が豹変していたのに うってかわって表情は穏やかだ。 言葉からして 完全に罪は認めているようだが…… 「……犯人が千早さんだってわかったときに……俺は千早さんの様子を見張っておくと言いながら、彼女に推理を聞かせようと部屋に行った……」 西村は少しだけ歩きながら、壁の方に近づいていった。 壁の目の前に立つと、ゆっくりもたれ掛かり、話の続きをし始める。 「俺が話終えると、彼女の態度からして、どう考えても犯人だった…。……でも、あの女はそれを否定した。」 事件のことを思い出すようにギリッと歯をたてると、体が僅かに震えだした。 「……あの人は…私が犯人なんて誰も信じない…、君が私を冤罪の犠牲にしようとしたとも…なんでも言える……。…君が私に与えた手紙は完全な脅迫だ…訴えたらどうなるだろう……と………」 西村は片手を両目にあてた。 悔しそうな、苛立ってそうな声は、今までの透き通った声とは別人のようだった。 「…俺は…、自分のやり方をあの人に否定された…それだけでなく、それで俺の今までの実績を崩そうとした……。 させてたまるかと…思って……気がついたら……」 彼はガクッと膝をつき、まだ震えは止まりそうになかった。 今までそうやって謎を解いてきた方法、千早はそれが脅迫だと言った。 やり方を否定され、壊されかけた。 それだけだけど、思わず手が出てしまったのは、 西村はかなりのプライドの持ち主だったんだろう。
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