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「…ったく、私には無視ですか。」
頬杖をついて呟く。
まぁ、兄弟でもなんでもない私は、実の兄であるマスターに負けるのは当たり前なのだが。
「はははっ、まぁまぁ、見守ってあげてよ。」
マスターが嬉しそうに笑っている。
私は一度、二階堂が出ていった扉を見直した。
「あんなに楽しそうな蓮を見るのは久し振りだなぁ。やっぱり事件に遇うより友達といるのが好きみたいだね。」
マスターも私と同じように扉を見つめながら言った。
……友達……か。
2人とも事件絡みに出会ったな…
事件というのはないほうが好ましいものだが
こういう出逢いがあるから不思議だ。
二階堂蓮
掴み所がなく口が達者。
常に冷静沈着というか感情表現がやたら薄い。
ただ、その裏になにか沢山のものを背負っている。
だから彼は賢い。
強く、たくましい。
これからも関わっていきそうだな。
私はうっすらと笑みを溢しながら、彼の行く先を見つめていた。
事件簿7⃣終わり
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