●MISSION●

2/13
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
病院のとある病室で、少年の話す声が聞こえてくる。  「…今日はね…だったんだ…。」  長い間、この病院に入院しているこの少年。名を笠原潤(カサハラ.ジュン)と言った。彼は今、ベッドに横たわったまま、個室の壁に向かって、まるでそこに何かがいるかのように話しかけているのである。周りの人間から見れば、それは、とても奇異な光景。    しかし、少年には見えていた。彼の居るベッドの隣に無造作に置かれた椅子の上に、一人の青年が座っているのが。歳は20歳前後だろうか、深みがかかった青色の長髪を一つに束ね、整った顔だちをしていた。身長は170cm前後、シルバーのプレートの付いたペンダントをして、服装は、シャツにジーンズというラフなものであった。 
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!