第8章 暁の天使 ①

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日本語なんて、いつ以来だろう……。 彼女は、泣き出した祥を見て驚いていると、そっと祥の腕に触れた。 「私は真子よ。この家に住んでるの。なにかあったら話して。医者には診てもらったけど、左足骨折してたわ。ギブスはめてるから松葉杖、そこに置いとくわね」 そう言って真子は立ち上がり、部屋を出て行くと、祥は泣きながら、冷静を取り戻そうと深呼吸をした。 エレンは深夜帰ってくると、祥が眠る部屋にそっと入った。祥はおとなしく眠っていたので、エレンはホッとして微笑むと、祥はふと目を覚まして、そばにいるエレンを見上げた。 「……サンキュ…。エレ……」 祥はそう言って微笑むと、エレンは微笑んで頷いた。 「今は何も考えないで、安心して休みなさい。祥」
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