第8章 暁の天使 ①

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* 二日後、祥はリビングに松葉杖でやってきた。朝食を用意していた真子は、祥を見て微笑むと、 「顔を洗ってきなさい」 と洗面台を指差して言うと、祥は真子に小さく会釈をして、 「えっと。あの……色々ありがとうございました」 と言った。素直な祥の言葉に真子は驚いていると、祥の後ろからエレンがやってきた。真子はエレンを見てニヤリと笑うと、エレンはドキッとしながらも知らないフリをして、祥を通り過ぎてキッチンに入った。 「エレン、これでいいか?」 と、少し困った様に祥が言うと、エレンと真子は顔を見合わせて笑った。 「人にお礼言うなんてあんまりないから、なんかへんな感じ……」 祥は英語でそう呟くと、エレンは祥の肩を叩いて席に案内した。 「感謝する気持ちを忘れないで」
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