Epilogue

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そうして、市朗は小さな溜め息をついて、まっすぐショウを見つめた。 「今、香澄と別れてきたんだ」 市朗がはっきりとそう言うと、ショウの笑顔が消えて、真顔になって市朗を見つめた。だが市朗は怒っている様子もなく、悲しい瞳でもなく、穏やかな表情だった。ショウはそんな市朗を見ると、少し目を伏せて、 「そっか…」 と呟くように言うと、市朗も頷いた。 「それだけ言いにきた。別にショウを責めるつもりは、ない。恨みつらみを言いに来たわけでもない。だけど、香澄は強くなったよ。あんな表情、見たことない。だけど…」 市朗は思わず言葉を飲んだ。 ほんとに、ショウは香澄じゃなくてエレンという人を選ぶのか?それでいいのか? 「ショウは、もし今エレンって人が生きてたら…香澄とエレン、どっちを選ぶ?」 市朗が少し心配そうに尋ねると、ショウは市朗を見つめて苦笑して、 「市朗は俺を殴るかもしれないけど、………俺は、エレンを選ぶよ」 ときっぱりと言うと、市朗は驚いて何も言えなくなってしまった。 市朗は病院を出て、ショウのファンがたくさん見舞いに来ている間を縫って歩いていくと、立ち止まって振り向き、ショウの病室を見上げた。
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