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インターホンが鳴ると、香澄は緊張して玄関に駆けていった。玄関に迎えに行くと、そこには元気になったショウと暁土が肩を抱きながら微笑んで立っていて、ショウは暁土から離れて香澄を抱きしめた。
「香澄…!」
懐かしい声が耳元で囁いている。香澄は涙ぐみながら、ショウの腕の中で微笑んだ。すると、暁土は笑いながら二人の背中を叩き、
「イチャイチャしたいのは分かるけど、もう少し後でね!今は香澄さんが作ってくれた御飯、冷めないうちに食べようよ!」
と言うと、香澄達は顔を見合わせて笑いながら頷いた。そうして三人は、居間へとゆっくり歩いていった。
その夜。
暁土が眠ってから、香澄とショウは部屋でワインを飲んでいた。
他愛のない会話のあと、ふとたっ香澄の瞳に涙が溢れてきて、ショウはそんな香澄を見つめると、静かに抱き寄せてくれた。
「なんだか、今頃実感が沸いてきたの。ショウが、帰ってきたって……」
香澄が言うと、ショウは微笑んでさらにきつく抱きしめた。
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