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「香澄はそれでいいんだ。泣き虫な香澄も、時には意地をはって強がる香澄も、全部愛してる。暁土も香澄を受け入れてくれたよ。みんなが幸せになれる方法を、俺たちは見つけられたんだ。今度こそ、もう離れない…。ずっとそばにいて欲しいんだ。香澄。結婚しよう。いやだなんて言わせない。YESの返事しか、俺は聞かないよ」
ショウはそう言ってにっこりと微笑むと、香澄の頬には再び涙がこぼれて、香澄は思い切り微笑んでみせた。
「私が、これからずっと、あなたに幸せをあげる!」
香澄がそう言うと、ショウは嬉しそうに笑い、二人は何度もキスを繰り返して、やがてベッドに倒れて二人は抱きしめあっていた。
何度も何度も、ショウは香澄の耳元で優しく囁いている。
「愛してるよ……」
*
それから……。
ショウはカメラマンのケイのアシスタントをしながら、カメラマンへの道を歩み始めていた。
だがその一方で、横浜の小さなバーで、ジャズシンガーとして歌うようにもなった。
テレビなどには一切出演することはなく、取材も全部断っていた。
それから5月。
春が終わる頃、香澄はショウのマンションで暁土と一緒に3人で暮らし始めるようになった。
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