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1月。
高校生の俺はバイトを始める。
人生で初めてのバイトだ。
ファーストフード店の裏方で色々と覚えることも多く、上の人も何気に厳しい。
「辛いなー…。」
と、口にはしなかったが表情に出てたのだろう。
「大丈夫?」
と女性の従業員が声を掛けてくれた。しかし声では心配してくれてるが態度はおかしかった。
ぎこちないというか…
おどおどしてる、って感じかな…?
「大丈夫ですよ。」
疲れてはいたが、しんどいですなんて言えるはずもなくとりあえず大丈夫だと言った。
「そっか。」
と、女性はちょっと微笑みながら言った。
相変わらずおどおどしてるけど…
俺はお礼を言おうとしたが女性は駆け足でその場を離れてしまった。俺を避けるかのように。
「嫌なら話しかけなければいいのに…。」
と思った。
しかしその日のバイト終わりに彼女は人見知りで、ましてや男性に声を掛けるなんて珍しいことであると他の従業員が教えてくれた。
「人見知りするならなんで接客業なんてやってるんだ…」
なんて、冷たい本音が心の中で呟く。
それと同時に声を掛けてもらえた嬉しさも、心の中にはあった。
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