第六和:罪の意識と本当の気持ち

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 塚紗たちが去った後、居間に残った三人はしばらく険悪な空気のままで座っていた。 その空気を作っていたのは主に蒼だったと言うことは、言うまでもないだろう。 「……何故、貴方の屋敷に塚紗様が出入りしてるのですか」  そんな険悪な空気の中、声が一段と低くなった蒼の声が響く。 そんな蒼に京次郎は緊張で口を一文字にしていたが、桂は相変わらず微笑んだままだった。 「君の言いたい事は良くわかるよ。相も変わらず過保護だね、君は」 「かっ……!」  桂の“過保護”発言に、蒼の顔が真っ赤になり歪む。 そしてそれを誤魔化すかのように蒼は口調を荒らげた。 「……そ、そんな事今は関係ないでしょう! 貴方は我々とは敵同士! 本来ならばこうして悠長に相対して座っている事自体あり得ない事です!」 「でもこうして言葉を交わしてるじゃない」  ですからっ……! 完全に桂に振り回されている蒼は仕方なく標的を換え京次郎を睨みつけ、その視線に京次郎の肩がピクリと震えた。 「塚紗様の事、どこまでご存じなんですか」 「えっどこまでって……?」  突然の問いに戸惑う京次郎。そして横へと視線を向けると、頷く桂が見えた。 「えっと……疾風って事と、山賊に拾われたって事、くらいだな……」 「! 山賊の事まで……? 塚紗様がお話になられたのですか?」  驚く蒼に、京次郎は頷いて見せる。 「……塚紗様が……」  顎に手を当て考え込む蒼に、京次郎は微笑む桂をちらりと見た。 「成る程、塚紗様はそこまで貴方を信頼しているのですね」 .
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