第八和:心の強さと情[ココロ]の弱さ

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「うっさい役立たず!」  小さくため息をついた悠助を、渚はキッと睨み付けて言った。 「……真っ先に助けに行ったの、俺なんだけど」 「なんか言った?」 「……別に」  諦めたように言った悠助はちらりと塚紗を見る。 塚紗は未だに状況が掴めずにいるようで、いつもは力の無い目が今は真ん丸くなっていた。 「塚紗、俺たちはあれくらいなんともないぜ」  確かにちょっと怖かったけどさ。と付け足した悠助はにかっと笑って見せる。二人の様子に、はっ、と諦めたように息を吐いた塚紗は口元を上げ、 「……はっ……。やっぱ、強いよ、お前ら」  悠助と渚は塚紗の言葉に満足したかのように微笑みを浮かべていた。 「……俺」  一人取り残された京次郎は、びしょ濡れのまま小さく肩を落としていた。 .
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