前奏

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「また明日ね?」 樹は微笑んだままそう言った 「はいっ!また…明日!」 瑠璃のこの言葉を聞き 会釈をして部室から出ていった 少しの沈黙 「おまっ… 今日どうしたんだよ!!? 先輩に挨拶するなんて… 珍しいじゃん!!」 遥が本気で驚いたのか 目を丸くして尋ねる 「うっせ!」 顔を真っ赤にし遥の背中を叩く 「「照れんなよ~」」 遥と優輝、 2人同時に声を揃えて言う 優輝は瑠璃に無視された事を すっかり忘れたようだ 「う…るせ……っ!」 瑠璃は部室にある ピアノの陰に逃げる 遥の言う通り 瑠璃が樹に声をかける事は珍しい 普段は樹の姿を見ただけで満足し 特に行動は起こさない 「今日は…っ なんとなく頑張ったんスよ!」 遠くから2人に向かって叫ぶ 「毎日やればいいじゃんか~」 遥が呆れたように言う 「だって… あの可愛さ見たッスか!!? あれはもう… 犯罪ッスよ!!犯罪!! あの微笑み… 鼻血モノッスよ…Vv」 瑠璃は 変態だ← 樹が絡むと更に変態化する 本人の前では隠しているが… 「あ~ぁ… 今日も部活終わったッスねぇ…」 「明日も部活あるから いいじゃねぇかよ」 瑠璃の呟きは バッサリと優輝に切り捨てられる 「まぁ…あるんスけど…」 「なんだよ」 歯切れの悪い瑠璃に 優輝が半ギレになっている 「もっと長ーい時間… 先輩と共存したいな~的な?」 「………」 呆れた顔で瑠璃を見る2人 「共存て…」 遥が笑う つられて優輝、瑠璃も笑う この後バスが来るまでの間 他愛もない話をした
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