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暗い、真っ暗な闇の中で動き出す。
次に手を動かしてみる。
自分の存在を確かめるために体に触れてみる。
手から腕へ。腕から腹へ。
確かに此処に自分という存在がちゃんとあることを確かめる。
地面に手をついてみれば
ざらざらとしたもの
―― ただの砂とそこらに生えている雑草が手にまとわりつく――
とりあえず、横たわった体を起こしてみる。
???「……っ!」
どれくらい寝ていたのか
わからないが
体がその動作に悲鳴を上げた。
そんな俺の状態を和らげてくれるかのように
風が、そっとなでてくれる。
それは、敵意もなにもないただの風。
それは、俺を優しく包み込み、
まるで慰めてくれているかのようだった。
そして、俺は目を開ける。
今まで閉じていた目を開き、
世界の有様を見るために。
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