46人が本棚に入れています
本棚に追加
第一話 森の魔女
優しい風が頬を撫でるのと同時に花の香りが気持ちいい。
「何やってんだよ?妹達が待ってる早く行こうぜ!!」
そう言い僕の腕を引っ張るのは幼馴染の熊獣人
「ほらほら、急いだ急いだ♪」
そう言い僕の背中を押すのは幼馴染の猫獣人
「いつまでボ~っとしてんだ?ほら…」
僕は引っ張られるままに後ろを歩く
次の瞬間、風景が変わった…
『楽しかった日々は…』
赤々と燃え盛る炎の中…
「なに…これ…なんで…こんな…」
「これは…お前がやったのか…?」
違うと首を振っても体から溢れ出る魔力は未だに暴走を続ける…
自分の家が…
村の半分が赤々と燃え盛る
僕は村長の決断により村を追放された…
『もう…戻らない…』
『そして…楽しい時間にもいつかは終わりが来る…』
幼馴染の恐怖に染まった顔が忘れられない…
悲しい…
寂しい…
心が…
痛いよ…
『誰にも聞こえない声を上げながら涙を流した』
これは罰
自らの内なる力に気づかず、罪を犯した僕に対する罰
最初のコメントを投稿しよう!