愛情

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「ワレなめとんのかい!そないな女や思わんかったでほんま、ほなな」 あらアキ、そんな言い方して女をふってきたの? いいや私は好き好んで女をふったことなど一度もない 自慢してやる 私は何気に一途なのだ! こらこらため息をつくな 付き合った女が嫌になり私がふったことは数回しかない 全てワガママな女共がワガママに私をふってきた 別に女を責めるわけではないが。 前作『おとんとおかん』にも書いたが 私のばあちゃん、じいちゃんにひどい目にあってきた 殴る蹴るの毎日や、ハサミで背中を刺されたり さぞかし嫌だっただろう 昔私はそんなばあちゃんに聞いた事がある 「ようやるなばあちゃん、やっぱあれか、愛があるから続くんか?」 ばあちゃんは優しい目をしてゆった 「アホやなぁ愛だけやったら続くどころか寝てるとこ殺してしもてるわ、愛情や、情があるから辛いとこで辛抱できんねん」 隣でじいちゃんがイビキをかいて寝ていた 「やっぱ殺してしまおか」 ばあちゃんが笑って言った
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