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とある町の小さな書店。
私はこの古ぼけた小さな書店が大好きであった。
私は主人を呼ぶ。
「マスター。私だ。いるんだろ?顔見せてくれよ。」
すると、レジの奥の扉が開き、少し小太りで、口髭を蓄えた初老の男が現れた。
「マスター。この店、今営業時間だよな?」
「そうだよ」
「なら客いなくても、せめて店内ぐらいには顔だしとけよ」
マスターは「やれやれ」というような顔をして「で、何しに来たんだい?」と尋ねた。
「新巻、もう並べてあるんだろ?今日発売だから様子見に来たんだ」
「ああ、それならそこの書棚だ」
マスターが指をさす方に目をやる。
そこには、綺麗に並べられた十冊の本があった。
私が書き続けてきた本……『ワールドクリエイトストーリー』である。
しかし、売れている様子はなかった。
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