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彼女は『ワールドクリエイトストーリー』の新巻……第十巻を手に取っていた。
「その本…、面白いのかい?」
私は、思わず、彼女に話し掛けていた。
彼女が私の顔を見る。
その顔は、やっぱりリリィだ。
「はい。私はこのシリーズが好きなんです」
少女は嬉しそうに笑った。
「今日、最終巻が発売だって思い出して、学校から飛んで来たんですよ」
私は、彼女の事を聞いてみた。彼女は、はきはきと答えだした。
「私、神岡凛々(かみおか りり)っていいます」
彼女は本を大事に抱え、名前をそう言った。
「その本のどんなところが面白いの?」
彼女は、少し考えてから、気恥ずかしそうに言った。
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