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「なんだか…、懐かしい気持ちになるんです。不思議なんですよ。この本を読んだ時や、真っ白な兎を見ると、懐かしさが込み上げてくるんです。……私って変ですよね」
「別に変じゃないさ。君は本当にその本が好きなんだね」
「はい、大好きです!」
私はその言葉が嬉しかったのか、自然と笑顔になっていた。
すると、少女は驚いたように目をぱっちりさせて、私の顔を見た。
「あなたの顔…見たことあるかも…。…あの、どこかでお会いしませんでしたか?」
私は、その言葉にこう答えた。
「いや。……でも案外、どこかで会ったのかもしれないね」
しかし、彼女はバタバタと手を振りながら言う。
「いえ、失礼しました!そんなわけないですよね。……でも、なんとなく、本に出てくる神様を想像した姿が、貴方に似ている気がしたのです。その…、左頬の黒子なんか、特に……」
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