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私は笑った。
「はっはっはっ……。私が神様に似ている?それはそれで面白いかもしれないね。残念だが、私はただの一般人だよ。神様じゃない」
「すいません。変なこと聞いちゃって……」
彼女は、私に礼をして、レジに向かった。
彼女がお金を払い、また私のいる書棚の通路を通り、私の横を通過した。
その背中に話し掛ける。
「私も君をどこかで見ている。でも、どこで会ったか覚えていない……」
彼女は、素早く振り向いて私を見た。だが私は彼女に背中を向けていた。
「貴方は、一体……?」
「おっと、あまり話をしていると家にいる兎が、お腹を空かせているんじゃないかな?」
彼女は、ハッと、息を呑んだ。
しかし、それからしばらくして、店の扉に手を掛ける音がした。
彼女は、扉に顔を向けたまま、静かに話し出した。
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