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兎を起こさないように、静かにベッドを降りた。
床に足がつく。暖まった足には、床の冷たさが心地良かった。
歩いて外に出る。そこで家の全景を眺めてみた。
家…というよりも、コテージみたいな造りだ。
木造の小さな家。2階は無い。部屋の南東に大きな窓があり、そこから裏庭に出れる仕組みになっていた。
今度は家の周りを見渡す。どうやらこの家は、森の中の一軒家なのだろう。鬱蒼とした木々に囲まれている。
そのなかでもこの家は、小高い丘の上に建っているらしかった。
家を中心に半径十メートルは、広大な森の空き地だった。空き地は綺麗な緑の芝生に覆われていた。
芝生の上を歩くと、サクサクといい音が鳴った。
芝生の感触を一歩一歩味わいながら歩いていると、石の台座が据えられていることに気付いた。
玄関から見て左側。森の陰に隠れるように、その台座はひっそりと佇んでいた。
そこで私は目を見張る。
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