リリィ

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「貴方は一体…誰なのですか…?」 「僕か…。ふふ…、僕が君を創った……いや、この世界を創ったというべきか…」 彼は優しく私を見据え、そして言った。 「ここはね、僕の世界なんだ。そしてリリィ、君はこの世界の住人さ。」 「…住人…ですか?」 「そうだよ」 すると彼はあの小さな家に目をやった。 「あの家には生活するのに必要な物が全て揃っているんだ。」 私も、彼同様にその小さな家を見た。 「それと、その格好じゃ寒くないかい?」 彼はクスクスと笑って「服を着てきなよ」と言って後ろを向いた。 私は、自分が裸だったことに気が付いた。 ポカポカ陽気で寒くなどなかったが、むしろ自分が今まで裸だったことを知った途端暑くなった。 私は、芝生を蹴りながら振り返ることなく、一直線に家まで走った。 勢いよくドアを閉め、荒い呼吸を整えた。 私は初めて羞恥の心を頭で知ることができたのだった。
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