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…………………
目が合ってからどのくらい経っただろう
私たちはずっと目を離すことが出来なかった
ずっと見つめ合っていた
「…あの、相原さん??
成瀬さん??
もうすぐでHRが始まりますよ??」
河合百合の言葉でハッとした
そうだ、ここは学校じゃないか……
「あ…あぁそうだな
早く教室に行くか」
私はは歩きだそうとするが腕に抱きついている栞が動こうとしなかった
「栞??
教室に行くぞ??」
栞に話しかけても反応は皆無だった
…どうしたんだ??
「成瀬さんなんて放っておいて行こうよ
私たちまで遅れちゃうよ??」
鼎は私の空いているほうの腕に抱きつきながら言う
いくらまだ春だからとはいえ暑苦しいと何度言えばわかるんだ……
「とは言っても抱きつかれてるから動けないんだが……」
「…へぇ、複雑な関係ですね」
また河合百合……もうこう呼ぶのもめんどい
また百合は何かを悟ったかのように呟いた
「んなことはいいから栞をどうにかしてくれ
……あと鼎も」
「成瀬さんのほうは王子様……
いえ、お姫様のキスで起きるんじゃないですか??」
どこの童話だ…
そして鼎は目を瞑るな、気持ち悪い
百合も栞のほうは、といっただろ??
「……あれ??
私何を………」
なんかお約束の起き方だな……
まぁ気にしないことにしよう
「栞、HRが始まっちまうから急ぐぞ」
「え??
あ、うん」
私たちはなるべく廊下は走らないようにして教室に向かった
百合が何かつまらなそうにしていたような気がするのは………
気のせいだろ
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