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梓の寝言の件は梓が起きたことによって解決した
どうやらマッサージの夢を見てたとか…
だがマッサージであんなこと叫ぶか??
……と疑問に思ったが三人は疑問に思っていないようなので口には出さないことにした
今は栞と帰る途中だ
…まぁ鼎の家からは近いのだが
百合の家は逆らしく栞と二人きりだ
「私は花音がそんなことしないってちゃんと思ってたの!!」
「………いや、嘘だろ
思いきり私を冷たい目で見てたぞ??」
栞がうっとたじろいだ
…………ちょっとは否定しろよ
「そ…そういえばさー」
栞は横を向きながら話を変えようとする
………逃げたな
「花音ってアパートに住んでるの??
おばさんは一緒じゃないの??」
「……………まぁな
父と母は父の仕事の都合で都心に引っ越したんだ
私だけ無理言って残らせてもらったよ」
「だからおばさんお見舞いに来なかったんだ…
いやなこと聞いちゃったかな??」
いや、と私は首を横にふった
「私は自分の意志でここに残った
栞もそうだろ??」
栞は小さく頷いた
私たちは約束したからここで再会した
この高校に一緒に入ろうと約束したから
「花音に会いたくてお母さんに無理言って戻ってきた
似てるね、私たち♪」
栞は笑う
私が大好きな笑顔
栞は私の親友だ……
それでいいんだ…今は
「手、繋がないか??」
私が手を差し出すと栞は私の手を握ってくれる
ダメじゃん私……
親友でいいとか言ったのに
まだ栞のこと愛してる
私たちは無言で歩き続けた
ただそれは心地良い静寂だった
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