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私は昨日と同じく待ち合わせ場所である公園の前で栞を待っていた
昨日はこのくらいの時間に鼎が来たんだっけな…
今日も来る可能性は否定出来ない
まぁ来たところでどうということはないが……
と考えていると足音が近づいてくる
走っているようなので鼎という線は薄いと思われる
近所の子供だろうか
「お姉様ぁぁぁ!!」
………なんか聞き覚えがある声がするな
走ってきた人物は私の近くで止まる
「お姉様、またお会いできましたね」
その人物は言うまでもないとは思うのだが一応言っておく
……鼎梓だ
「梓か、どうした??
中学はこっちの方には一校もないぞ??」
この辺の中学と言えば梓が走ってきたほうにしかない
つまり真逆だ
「お姉ちゃんに聞いたらお姉様がここにいるかもって言われて……
会いたくて来ちゃいました♪」
「会いたくてって…
昨日会ったばかりの私にか??」
私が尋ねると梓は頷いた
「お姉様に、です」
「それだけの為に真逆に??」
梓は頷く
いや、おかしいだろ
「私なんて梓にとっては姉の友達だろ??」
私がそう尋ねると梓は首を横にふる
「それは会った理由です
私にとってお姉様は私のお姉様です」
そのお姉様というのがよく分からないのだが…
と私は思ったが口には出さない
つまり梓は私と梓は鼎を介した関係じゃないということを言いたいのだろう
「そうか…
そうだな、私も朝から梓に会えて良かったよ
これから学校だろ??
遅刻するなよ」
梓は嬉しそうに『はい』と答えてから中学のあるほうへ走っていった
こんな私でも、慕ってくれるやつはいるんだな…
私はそんなことを考えながら栞を待った
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