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それにしても栞は遅いな…
携帯を取り出して時間を確認してみる
待ち合わせの時間から10分ほど経とうとしている…
電話をしようにも番号を聞いていないことを思い出す
……風邪でもひいたのか??
私は心配になり栞の家に向かおうとした
………がその必要はないようだ
「花音!!
寝坊しちゃった…
ごめん」
栞が叫びながら走ってくる
髪はボサボサでいかにも寝坊しました、って感じだ
「栞、髪ボサボサだぞ??」
私は栞の頭をなでながら…いや少しでも髪を整えられればってだけで他意はないぞ??
決して髪ボサボサな栞萌えとかないからな
「花音待たせちゃ悪いと思って…
花音の髪はサラサラで寝癖とかなさそうでいいな」
そういって栞は私の髪に触れる
「…な!?」
たったそれだけでも私の心臓は跳ね上がってしまう
栞が私の髪に触れている
本当にたったそれだけなのに…
「花音の髪、全然癖とかないね
胸辺りまであるのに枝毛もない…
花音ってどこのシャンプー使ってるの??」
「特に決まってないな
店で一番安いのを買ってる」
私がそういうと栞は驚いた
「じゃ…じゃぁ特別な手入れとかしてるの??」
「いや特には…」
私がそういうと栞は一層驚く
「なんでこんなにサラサラなの!?」
私が知るか……
とは栞には言えないな
私は栞の頭をなでた
「私は栞の髪、好きだぞ??」
なんていうか、栞の髪の匂いは安心出来る
昔から栞の髪の匂いは変わってないな……
「好きって…
わ…私も花音の髪好きだもん!!」
いや、何を伝えたいかさっぱりなのだが…
「…………だもん」
「…ん??
何か言ったか??」
最後の『だもん』しか聞こえなかったので栞に聞いてみる
「なんでもないよ♪
学校行こう??
遅れちゃうよ??」
栞は手を差し出してくる
私はその手をつかみ、歩き出す
栞が何を言ったのかは気になるが深く追求しないことにした
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