第4章:鼎梓

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予定より10分は遅れたものの昨日とは違い時間にはかなりの余裕がある しかも昨日みたいに沙希が異様に早く来るということもほぼありえないだろう 私は自分の机に荷物を置いたあと櫛を取り出して栞の席に向かう まぁ隣の席なのだが… 「花音?? どうしたの??」 「栞の髪ボサボサだろ?? 私がとかしてやるから」 栞は確かに髪がボサボサでも十二分に可愛い このままでもいいのだが…… まぁ栞の髪に触れる為の理由を作りたかっただけだ 「花音がとかしてくれるの!?」 「あぁ、思えば昔はよくとかしてたよな あの頃は栞はポニーだったからとかしたついでに結ってやってたな」 私は優しく、優しく栞の髪に触れる 「じゃあ今日はポニーにしてもらおうかな♪」 栞はバッグからヘアゴムを取り出す 私は栞の髪をとかしながらそれを受け取る 「高校生にもなってポニーか??」 「久し振りついでだよ」 私はそれ以上は何も言わずに栞の髪をとかし続ける 10年ぶりか…… でも身体は覚えているものだな 私は栞の髪をポニーにしていく 「……よし、出来たぞ」 私がそういうと栞はこっちに振り向く 「ありがとー♪ どうかな?? 変じゃない??」 「あぁ、可愛いよ」 私は栞の頭をなでる 本当に可愛いな…… 栞ならどんな髪型だって似合うさ 「花音、………る」 栞が小さく呟く 本当に小さく呟いた為近くにいた私にさえ聞こえない 「何か言ったか??」 さっきもこんな会話したような……… 「何でもないよ♪」 「……そうか」 私はもう一度栞をなでてから席についた
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