第4章:鼎梓

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私が自分の席に座ってぼーっとしていると鼎が近づいてきた …何か用でもあるのか?? 「花音さん、おはよう」 「あぁ、おはよう」 鼎はすごい笑顔で私を見つめる ……なんなんだこいつは 「花音さんって格好いいよね」 「は?? 私は一応女だが??」 まぁほめられてるのだろうから嫌な気はしないが 「確かに女の子だし一見すると美しいって感想を持つんだけど、なんか格好いいんだよ」 いや、言いたいことが全く分からんのだが?? 結局私は美しいのか格好いいのかどっちなんだ…… 「私は花音は可愛いと思うよ」 隣で本を読んでいた栞が会話に参加してくる 私が可愛い?? そんなことはないと思うが栞に言われると照れるな 「花音さんは格好いいの!!」 「花音は可愛い!!」 そんな大声で叫ぶな 何の騒ぎだって人だかりが出来始めてるじゃないか しかも話題が私が格好いいか可愛いかって…… 何の羞恥プレイだ 「花音さんは…… その振り向いた時すごく格好いいの!!」 振り向いた時?? 何のこっちゃ…… 「親友の私が可愛いって言ってるんだから可愛いの!!」 栞も滅茶苦茶だな…… 野次馬どもも苦笑してるぞ その時何の奇跡か沙希が時間に遅れずに教室に入ってきた 二日連続で遅れずに来るとは…… 「沙希さんに決めてもらおう それで文句ない??」 「うん、花音は可愛いに決まってるもん」 沙希は教室に入って早々指名されて戸惑っている この騒ぎの所為か誰も沙希が時間通りに来たことには驚いていない 「沙希さん、ズバリ……」 「花音は可愛い??格好いい??」 沙希は固まってしまった まぁ、いきなりそんなこと聞かれれば固まるわな…… 「あー、えっとー ちょっと早いけどHR始めますー」 うん、ナイススルー 結局私が可愛いか格好いいかは決まらないまま終わった
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