第4章:鼎梓

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梓は私に今日学校であったことを話してくれた 梓には相田花梨というとても仲がいい友達がいるらしい 梓曰わく『お姉様に似てるんですよ♪』とのことだ 私に懐いてることとそのことが関係しているのかと尋ねてみると関係ないとの返事が返ってきた 似ているのは容姿ではなく性格だという 「まぁ私はお姉様のほうが好きですよ♪」 「私のほうが?? そりゃ嬉しいな」 私は梓の頭を撫でてやる すると梓は可愛らしく笑うのだった 梓が愛しく思えてくる ……とは言っても栞に抱いているそれとは違う感情だ 私は一人っ子だからよくはわからないがこれが姉妹愛だろうか 「お姉様が私の本当のお姉ちゃんだったらよかったんですけど……」 可愛いことを言ってくれるな 「私も梓が妹だったらって思うな でも鼎は私よりずっといい奴だと思うぞ??」 梓は首を横に振る そして呟く 「お姉ちゃんは恋のライバルなんです…… それに、お姉様のほうがお姉ちゃんよりずっと素敵です!!」 恋のライバル……ね ってことは鼎も百合のこと好きなのか?? 「私なんかと一緒にいても楽しいことなんて一つもないぞ??」 私は梓の頭を撫でながら呟く しかし梓は首を再び横に振る 「いえ、今すごく楽しいですよ♪」 本当に可愛いこと言ってくれるな ……もう梓テイクアウトしていいか?? 私の妹になれ!! とは言わずに頭を撫でる もう今日何回撫でただろう…… 「そう言ってもらえると嬉しいな」 その後も梓との雑談は私のアパートの前まで続いた 送ると言ったのだがすぐ近くだからと、私のアパートの前で別れたのだった もう少し姉でいたかったな……
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