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私はアパートの私の部屋の鍵を開ける
『ただいま』と言っても返事をくれる人はいないので私は無言で部屋に入った
親と住んでいた時は礼儀として一応は言っていた
家に帰ってきたからどうということはない
待っているのはテレビもパソコンもない質素な部屋だ
……だが今日は少し違った
………明かりがついてる??
誰かいるのか……??
「あー花音お帰り♪」
それはここにいるはずのない人物
「栞!?
なんでここに!?」
「あれ??
聞いてないの??
お母さん達が偶々近くに住んでて話し合った結果一緒に花音の部屋に住むことになったんだよ♪」
糞ババァ……
そんなこと一言も、と思い携帯を見てみる
『不在着信1件』
時間は沙希と話してた頃か……
「私達の意見も聞かずに決めるとはな……」
こんなことになるとは全く思っていなかった
私の親の転勤先が栞の親の住んでいるところの近くとか出来すぎだろ……
「花音は私と住むの……嫌??」
栞が泣きそうな目をして私を見てくる
「いや、嬉しいんだが
栞、荷物とか大丈夫だったか??」
「うん
お母さんが引っ越し業者を頼んでおいてくれたから平気だよ」
栞が指差した方を見てみるとパンダが描かれた段ボールが積み上げられている
「連絡あったの今日だろ??
よく短時間で準備できたな……」
「まだ引っ越したばかりで開けてなかった段ボールもあったしそんなに大きな荷物はなかったしね」
そういえば栞は高校入学の少し前に引っ越してきたんだったな
すっかり忘れていた
「栞、布団かベッドって持ってきたか??」
「え??
一緒に寝ないの??」
………は??
一緒に??
私と栞が……か??
「いやいやいや
家にはベッド一つしかないし……狭いぞ??」
何より栞と寝て私の自制心が持つか……
「花音は……私と寝るの嫌なの??」
栞はまた泣きそうな瞳で訴えかける
……そんな目されたら断れないだろ
「……どうなっても知らないからな」
栞は何が??というような目で私を見る
まぁ異性と寝るんじゃなくて同性、しかも親友と寝るんだもんな
警戒するほうがおかしいか
そうして私と栞は一緒の部屋に住むことになった
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