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忘れよう
何もなかったんだ
栞に告白されたり……
キスされたりなんかしてない
……それにしても栞の唇柔らかかったな
……いや何もなかった
私は朝食の準備をしている
……起きてからずっと
栞を起こそうなんてしてない
「ふぁ~
花音おはよ~…」
何もなかった何もなかった何もなかった
「花音??
目玉焼き焦げてるよ??」
「んあ??
うおっ!?
煙出てる!!」
何もなかったとか言いながら思い切り意識してるよ、私……
でもあれは寝ぼけてただけで……
告白だって親友としての意味かもしれない
栞は愛してるなんて一言も言ってないしな……
そもそも栞が女を好きになるなんてありえない
……自分で言っておいてかなりへこむな
私は栞が好きなのに、愛しているのにいざ告白されると否定する
一体私は何を望んでるんだ……
「花音??
なんかおかしいよ??」
「……そうだな
私らしくないな」
元々叶う筈のない恋
こんなんでおかしくなってどうするんだ
私はいつものように栞と話せばいいんだ
「今から作り直すから冷蔵庫のプリンでも食べて待っててくれ」
「嬉しいけど……
私も手伝うよ♪」
栞は私に笑いかける
私も栞に笑いかける…
私たちはまだこれでいいんだ
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