第5章:河合百合

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忘れよう 何もなかったんだ 栞に告白されたり…… キスされたりなんかしてない ……それにしても栞の唇柔らかかったな ……いや何もなかった 私は朝食の準備をしている ……起きてからずっと 栞を起こそうなんてしてない 「ふぁ~ 花音おはよ~…」 何もなかった何もなかった何もなかった 「花音?? 目玉焼き焦げてるよ??」 「んあ?? うおっ!? 煙出てる!!」 何もなかったとか言いながら思い切り意識してるよ、私…… でもあれは寝ぼけてただけで…… 告白だって親友としての意味かもしれない 栞は愛してるなんて一言も言ってないしな…… そもそも栞が女を好きになるなんてありえない ……自分で言っておいてかなりへこむな 私は栞が好きなのに、愛しているのにいざ告白されると否定する 一体私は何を望んでるんだ…… 「花音?? なんかおかしいよ??」 「……そうだな 私らしくないな」 元々叶う筈のない恋 こんなんでおかしくなってどうするんだ 私はいつものように栞と話せばいいんだ 「今から作り直すから冷蔵庫のプリンでも食べて待っててくれ」 「嬉しいけど…… 私も手伝うよ♪」 栞は私に笑いかける 私も栞に笑いかける… 私たちはまだこれでいいんだ
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