第5章:河合百合

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屋上が解放されてる学校ってのも珍しい気もするな 確か小、中ともに立ち入り禁止だったからな と思っているうちに屋上についた 風が気持ちいいな 「……それで?? 何か人に聞かれちゃいけない話するんだろ??」 私が百合にそう尋ねると百合は少し驚く 「い…いえ、私は花音さんとお話がしたいだけで……」 「なら栞がいても良かっただろ??」 私がそういうと百合は何かを諦めたように溜息を一つはいた 「人に聞かれてはいけない…… 確かにそうですね」 百合は静かに笑いながら…… しかし目は笑っていなかった 「それはやっぱり私に関係あるんだろ??」 百合は笑うのをやめて私の目をじっと見る そして小さく頷いた 「はい」 私は『そうか』と呟いてから座れる場所を探す 運がいいのか近くに公園に置いてあるようなベンチがあった 私がそこに座ると百合も隣に座る 「……まず一つ知っておいてください 私は雫さんが好きです」
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