第5章:河合百合

17/19
908人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
梓は今日私に振られるなんて微塵も思ってないだろう 私だって振りたくない 今の関係でいたい だから、もしかしたらという期待を持って梓に質問をする 「梓、私のこと好きなのか??」 頼む、そんなことないって言ってくれ 頼むから姉妹揃って同じ反応をしないでくれ…… そんな願いも虚しく梓は鼎と同じ反応をしていた つまり真っ赤になって俯いていた 「そ……そのお姉様?? それはどんな意味で、ですか??」 梓の問いに私は平静を装いながら答える 「恋愛的な意味で…だ」 梓は更に顔を真っ赤にする 人は本当にここまで赤くなるのかと思うくらい真っ赤だ…… 「…………です」 「ん?? ごめん聞いてなかった」 考え事をしていた所為か梓の声が小さかった所為か分からないが語尾しか聞こえなかった すると梓は顔を上げて口を叫ぶ ……叫ぶ?? 「お姉様が好きです!! 大好きです!! 愛してます!! イケナイ事だって分かってますけど大好きなんです……」 叫びは段々泣き声へと変わっていった 最後のほうはほとんど呟きって感じだ というか今の叫びで何の騒ぎだと野次馬が…… 「梓、場所変えるぞ 返事はそれから……」 私は梓の手を引いて野次馬の輪の中から出て行く ……どこがいいだろうか
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!