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「花音ちゃん?
どこ行くの?
学校もう過ぎてるよ」
その言葉は笹ちゃんのことを考えていた私を現実に引き戻す
見ると確かに学校を過ぎていた
私は急いで道を引き返す
「あははっ!!
花音、顔真っ赤だよ!!」
花音……?
今こいつは馴れ馴れしく私のことを花音って呼んだか……?
私を呼び捨てにしていいのは笹ちゃんだけなのに
「…………消えろ」
私の口から無意識にその言葉が紡ぎ出される
「え……?」
成瀬栞は呆然としていた
「私のことを花音って呼び捨てにしていいのは今も昔も一人だけだ」
成瀬栞は私の迫力に驚き、たじろいていた
「え……あの……」
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