第1章:相原花音

7/10
前へ
/85ページ
次へ
「花音ちゃん? どこ行くの? 学校もう過ぎてるよ」 その言葉は笹ちゃんのことを考えていた私を現実に引き戻す 見ると確かに学校を過ぎていた 私は急いで道を引き返す 「あははっ!! 花音、顔真っ赤だよ!!」 花音……? 今こいつは馴れ馴れしく私のことを花音って呼んだか……? 私を呼び捨てにしていいのは笹ちゃんだけなのに 「…………消えろ」 私の口から無意識にその言葉が紡ぎ出される 「え……?」 成瀬栞は呆然としていた 「私のことを花音って呼び捨てにしていいのは今も昔も一人だけだ」 成瀬栞は私の迫力に驚き、たじろいていた 「え……あの……」
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

909人が本棚に入れています
本棚に追加