第十章 文化祭に潜む『魔』の者

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だが炎剣一閃はニコラに当たらず、かわされた。 「くそ、もう一……ぐあっ!」 討魔は再び炎剣一閃を打とうとしたが、突然胸を押さえて苦しみ出した。 「はっ!ざまぁねぇな敵対者 悪魔の力なんざ使うから てめえの心が闇に呑まれ始めてんじゃねぇか!」 ニコラは荒々しく討魔の所に歩み寄り、賢者の石で剣を造った。 ニコラは剣を高く振り上げ、討魔を殺そうとしたが、剣は何かによって弾かれた。 攻撃のあった方を見ると、影宮が息を切らしながら神凪を持って構えていた。 「殺るなら……私から先に殺りなさいよ」 その言葉に、ニコラは笑った。 「いいねぇ、そういうの嫌いじゃねぇ 望み通り殺してやるよ」 ニコラは弾かれた剣を拾い、ゆっくりと近付いていく。 時計が時を刻むように その足が時計の秒針のように思えた。 死へのカウントダウンが近付いてくる。 「影宮!早く逃げろ!」
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