―21章―

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「浩樹!」 「オゥ」 「良し、集まったな」 真琴の葬儀から一週間、晃達はずっと彼方を待っていた。 家にいることはわかっていた。 でも、出て来る気配はまるでない。 それでも三人は彼方が出て来ることを信じていた。 アイツは強い。 そう思うことが、彼方の友達だと信じていたから。 「今日は彼方、出て来るかな」 「さぁな、多分もう少し掛かるだろ」 「それなのに、俺らは毎日行くんだな」 静馬の言葉に、二人は苦笑しながらいつものように彼方の家へと向かう。 ……と、 「…なぁ、アレ…」 彼方の家が見えて来ると、晃は不意に指を差した。 見ると、彼方の家の門が開いている。 「彼方…出て来たのか?」 三人は慌てて彼の家に駆け寄りながら家の周りを見回す。 「でもアイツ、どこに行ったんだ…?」 「とにかく、探しに行こうぜ!」 「じゃあ、晃は商店街の方に。 浩樹は高校に、俺は反対の高丘の方を見て来る!」 三人はそれぞれに彼方を探しに走った。
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