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「浩樹!」
「オゥ」
「良し、集まったな」
真琴の葬儀から一週間、晃達はずっと彼方を待っていた。
家にいることはわかっていた。
でも、出て来る気配はまるでない。
それでも三人は彼方が出て来ることを信じていた。
アイツは強い。
そう思うことが、彼方の友達だと信じていたから。
「今日は彼方、出て来るかな」
「さぁな、多分もう少し掛かるだろ」
「それなのに、俺らは毎日行くんだな」
静馬の言葉に、二人は苦笑しながらいつものように彼方の家へと向かう。
……と、
「…なぁ、アレ…」
彼方の家が見えて来ると、晃は不意に指を差した。
見ると、彼方の家の門が開いている。
「彼方…出て来たのか?」
三人は慌てて彼の家に駆け寄りながら家の周りを見回す。
「でもアイツ、どこに行ったんだ…?」
「とにかく、探しに行こうぜ!」
「じゃあ、晃は商店街の方に。
浩樹は高校に、俺は反対の高丘の方を見て来る!」
三人はそれぞれに彼方を探しに走った。
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