1章 「2人」

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「…はっ…………はあっ……」 ケイディア帝国の剣技場に、僕達はいた。 「進歩ねえな……お前」 男は、僕の喉元に剣を向けたまま溜め息をついた。 「また負けた……どうしてレインに勝てないかなあ…」 「隙がありすぎるからだ…と何度言えば分かるんだ?」 レインは無造作に転がった剣を一蔑し、僕の方を向いての口端をつり上げ、笑った。 「だ、だって……」 「弱点を直さないからすぐにやられる。だからセレンは弱いままなんだ」 「れ、レインが強いだけだって!『マスター』だし…」 「お前も一応『マスター』じゃないか…」 そう言って溜め息をつき、レインは剣を鞘に収めた。
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