記憶喪失の男

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これが記憶喪失と言うものなのだろうか。 可笑しな気分だ。この国の首相の名前や好きな小説のタイトルなど今この状況で役にたたないことは思い出せると言うのに、自分のことになると名前すら思い出せないのだから。 しかし自分の名前すら思い出せない自分がやけに冷静なところも気にかかる。 まあ、取り乱しても良いことなど何にもないのだが記憶喪失に陥ればパニック状態になってもおかしくはないのだが… そんなことを考えつつも男はひたすら歩き続けていた。
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