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男はかなりの時間歩き続けていた。
時計は壊れているのか止まっていて正確な時間は分からないが男の推測では三時間は歩き続けているはずである。
それにしてもおかしな森だ。長時間歩き続けていると言うのに少しの起伏もない上に木は全て2メートル程の間隔に揃えられたようにはえている。地面には雑草はおろか落ち葉一つ落ちていないのだ。
方向感覚は確実に失われていた。
しかし、なぜだか自分が進むべき道は何となく分かっていた。
男はまるで操られる様にひたすら同じ景色の中を歩き続けた。自分でも違和感を感じていたが足は止まろうとはしなかった。
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