第二章 過去の清算

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ミシェルは嬉しさと辛さが混合した様に涙を浮かべ語った。 ミシェル「でも籐太は生きていたのですね、本当に良かった・・・」 ミシェルは籐太に向き直ると頭を下げて謝罪した。 ミシェル「ごめんなさい! 私達は貴方に取り返しの出来ない事をしてしまいました! 籐太の父母の命を奪った罪が許されるとは思いません、ですが・・・」 藤太はミシェルの言葉を遮るように言い放った。 籐太「もう良いんですミシェル様! 私はもう恨んでなどいませんから!」 籐太の言葉はミシェルにとって意外だった、本来なら罵倒されても仕方がないハズだからである。 ミシェル「籐太・・・でも私達のせいで・・・!」 籐太「確かに初めは激しく憎みました、絶対に父母の敵を討つと・・・」 ミシェル「では何故・・・?」 籐太「それは詩鳴様に出会えたからです、私を本当の弟の様に守って下さり人の心を教えて下さいました! そして新しい家族や友人が出来て思ったのです、人の恨みや憎しみが更なる悲劇を起こすのだと!」 ユアン「・・・・・」 籐太「詩鳴様はお役に立ちたい一心で新兵器を作る事を申し出た私を厳しく叱りました、なぜ幼い子供が戦わねばならぬのかと・・・ そして私に人を守れる人物になれと諭して下さいました、今でもその言葉は忘れません!」
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