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天下が混迷化する中で北方一帯を治めた詩鳴は翔馬達諸将、平北、京洛、鳳英の国民と共に束の間の平和を謳歌していた。
人民は喜びに溢れ生活も潤い、戦乱の世にあって心安らぐ時を過ごしていたのである。
しかし詩鳴が北方一帯を掌握した頃、王巍でも天下統一に向けて着々と侵攻が進んでいたのであった。
王巍国国王 星影(しょうえい)は広大な領土と強大な軍事力を誇り、資金や人材も豊富で大陸中央に一大勢力を築いていた。
しかし大陸の中央に位置するため周りを敵に囲まれており、戦力を分散して対抗している事が天下統一を遅らせていたのだった。
ところが詩鳴が北方で台頭したため鳳英国と智国の目が王巍から一時的に反れる結果となった。
そのため王巍は北方からの侵攻に憂慮する事が無くなり備えを軽減することが出来たのである。
星影はこの機を逃さず西方の侵攻に力を入れた。
それは今後の戦略を考えて後顧の憂いを無くそうとしたのである。
西方を治める西孟は狩猟民族が多く弓槍馬技に優れており、家畜と穀倉地帯が豊富で食糧の備蓄も多かった。
そして西孟は狩猟民族が戦闘を受け持ち、農耕民族が食糧を生産するというのが昔からの習わしでもあった。
そのため星影は騎馬の戦力補充と食糧確保を視野に入れて西孟侵攻を開始したのである。
星影「詩鳴が勢い付いたおかげで北方の守りがやり易くなったな」
法信(ほうしん)「はい、詩鳴とクリストファーは雌雄を決する戦いに集中しているため備えは問題ありません。
問題は智国と覇燭ですが大将軍 項謙(こうけん)殿に一任すれば安心で御座います」
法信は天下の情勢を予見していた様に国境の守りを固めていたのであった。
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