美しい人

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「しん…じっ」 そう言って、 何と… 秋が 俺の方に振り向いた。 潤んだ瞳、 苦しそうに緩めた顔は、 ほんのりと紅潮していた。 まさか 秋からせがんでくるとは…。 《ああっ…もうっ!》 たまらなく可愛い! 驚きと 嬉しさから、 荒々しく唇を覆った。 積極的だが、 ぎこちない 舌の動きを 優しく絡めとる。 「ン…ンンッ…」 秋が、 ギュッと 俺の手を掴むと 程無くして、 ガクンと 膝から崩れ落ちた。 その体を 床につく寸前で抑え、 抱き抱えて ベッドに連れていく。 まだ息の荒い 秋の顔を覗き込むと、 虚ろな瞳で 俺を見つめかえした。 ,
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