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「あんた馬鹿でしょ?」
カリンは手を差し出した翔を胡散臭そうに見上げる。
「馬鹿と天才は紙一重、ってな」
含み笑いを漏らす翔。
「冗談だ」
差し出していた手を引っ込め、見ているだけの通明を横目に、
「俺達もちょうどその娘に会いに行くところだからな、ついてくるといいさ」
踵を返し、さっさと歩いていく。
通明はカリンを苦笑いで一瞥し、すぐに後に続いた。
「あ! ちょっと!」
男二人の背中を睨み、カリンは地面を踏みつける。
「も~っ! どいつもこいつも何なのよ!」
希望は電話に出ないし、あの男は口で言わずに案内したがるし、もう一人はなんか苦笑ってるし。
小さいからってバカにしないでよね。
なんて考えつつも、他に手段の無いカリンは、律儀に翔達を追うのであった
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