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「それマジですか」
賑わう店内。用意された座敷の席。あたしの向かいに座って上司と盛り上がる君。
新入社員の歓迎会、なんて名目でお酒を飲みにきた。
ずっとずっと好きな君が向かいにいても、何も話せない臆病なあたし…酷く情けなくなって、悔しかった。
こんなに見つめてるのに、気付け、鈍感。
「睨むなよ」
見つめると言うより明らかにあたしは睨みながら君を見つめていたのだろう、気付くと苦笑いを浮かべてあたしを見る君。
急に顔に熱が集まった気がした。
「睨んでないし」
「いや、睨んだ」
何て無いやりとり、思わず尖った口調で返すと間も置かずにすぐに言葉が返ってきた。
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