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幼い頃、探険好きだった親父は友達とこの山に登ったそうだ。
子供には花見の醍醐味は分からなかった。だからしばらく山のことは忘れていた。
大人になり、おふくろと出会い、やがて僕が生まれた。
元々人込みが苦手な親父は、騒がしい桜並木を横目に通り過ぎながら、ふと静かなこの場所を思い出した。
以来、毎年僕たち家族はこの一本桜の根元で花見をしていた。
流石に僕が反抗期に入ると、家族で花見に行くことは無くなったが…………
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