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ピーーーー!
「あなたっ!」
「親父っ!」
それは突然の別れだった。
白衣を着た医者が動かなくなった親父の胸に聴診器を当て、瞼を指で開きライトを揺らす。
「午前10時14分。ご臨終です」
そう告げると一礼して、部屋を出て行った。
「あなたーっ!!!」
おふくろは微動だにしない親父の胸の上に突っ伏して、泣き叫んだ。
人が死ぬ時って、こんなに呆気ないんだ……
親父が会社で倒れたと連絡を受け、すぐにおふくろと病院に駆け付けたが、意識を取り戻すこと無く親父は逝ってしまった。
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