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街から少し離れた草原に一人の蒼いコートを着て仮面を付けて、フードで髪の色すらわからない少年と――
『小僧、たった一人でこの大群を相手にする気か?』
――千を越える魔物の大群が向かい合っていた。
「たった?おまえらみたいな雑魚なら俺一人で十分だろ」
魔物達のリーダーらしき存在に向かって余裕そうな口調で言うと、魔物のニヤニヤした表情が変わり、少年を睨みながら
『ふざけるな!!そのなめた発言を後悔させてやる!!』
そう怒鳴ると魔物達は一斉に少年に襲い掛かった
「来い、"焔鬼"<エンキ>…」
そう呟いた少年の手には赤い刀が握られていた
「大人しくしとけばもう少し長生きできたのにな…"蒼炎閃"」
少年が刀を振るとその先端からは蒼い炎が鎌鼬のように魔物の大群に飛んでいき、リーダーを除く全ての魔物を切り裂いた
『なっ、蒼い炎だと!?貴様まさか【蒼炎の騎士】か!!』
「正解」
『!!』
リーダーは自分の前にいたはずの少年が消え、後ろから声がして振り返ろうとしたが――
「さよなら」
――振り返るまえに斬られ絶命した
「終わったな…"転移"」
そう呟くとそこにはもう少年はいなかった…
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