さん

5/6
前へ
/48ページ
次へ
「ほら、薺降りるぞ」  叔父に促されて、薺はクーラーの聞いた車内から、車外へと降りたった。  途端に、もわぁっとした湿気が瞬時に薺の体に纏わり付いてきた。 「暑っつ~」   勝手に声が出てしまう。  もうすでに日が傾いてる時間帯だというのに、陽光は容赦なく薺達に照り注いでくる。  眩しさに思わず眼を閉じる。  眼を閉じても、瞼の裏にまで差し込んでくる陽光からは逃れられない。  瞼の裏でチカチカと残像が点滅している。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加